2013年09月19日

何も残さなかった父

今回も弊所あてに寄せられた体験談やご意見をご紹介致します。皆様もぜひ、ご参考になさってください。

私の父が亡くなったとき、私は高校3年生。弟はまだ中学生でした。父の遺産は母と私たち2人の子どもが相続したわけですが、実質は残された3人の家族の生活費にあてられたわけです。
といっても、実は父の遺産は、父名義の普通預金口座に残っていた数十万の預金だけ。あとはせいぜい高級ゴルフクラブセットぐらい。これは後に私が形見としてもらい、自分で使うようになりました。
つまり、相続するほどの財産が父にはなかったのです。といっても、父が恐妻家で、母が家計の財布を牛耳っていたというわけではありません。また、父は養子でもありませんでした。父はおよそ金銭や財産に関して淡白というのか、関心をもたない人でしたので、すべて母に一任。家を買ったときも「自分は長生きできそうもないから」という理由で、母の名義にしたのです。
銀行のメインの普通口座、定期口座も母名義、これは後に母が亡くなったときに初めてわかったのですが、なんと固定電話まで母の名義になっていました。
父が「長生きできそうもない」と言ったのには、理由があります。父は8人兄弟でしたが、他の兄弟は幼時に亡くなったり戦死したりして、私がものごころついたころには父方の伯父、叔母はだれもいなくなってしまっていました。それで父は「自分も・・・・・」と考えたというわけです。
結果としてその通りになってしまい、けれど、そのために父が亡くなったときに遺産相続でもめたり、相続税の支払いで母が困ったりということが一切なかったのです。
それこそが父の最大の遺産だった、と今にして思います。


相続・遺言体験談 多数公開中。

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Posted by kinchanhappy at 14:00│Comments(0)全て
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